あの春の少年
エッチな体験談としては、微妙なところなんだけど、若気の至りで後悔もあったりでここで吐き出したい。
ガキの頃、俺は勉強も運動もクラスで一番だった。
男子からは一目置かれ、女子からはモテた。
中学の時も告白されて付き合った彼女はいたし充実した生活を送っていた。
進学も苦も無く、偏差値の高い進学校へ進んだ。
同世代の他の連中より、多くのものを持っていたし、多くのことが苦労することなくできた。
高校1年で俺は天狗になっていた。
入学後、2ヵ月でクラスの中でも可愛い方の女子に告白され付き合うことにした。
付き合い始めた頃、学校でコロナが流行し始め、休校なども増えた。
「一緒に勉強しよう」と言う体で、俺の部屋に誘った。
俺は一人っ子だったし、両親は共働きだったので晩まで年頃の男女が部屋で二人っきり。
勉強もそこそこに、すぐに興味はセックスへ。
中学の時も彼女はいたし、キスまでは経験してけど本番のセックスは始めただった。
そして、彼女も処女だった。
初めての日、俺のベッドの上で横並びになり、いつものようにキスをする。
彼女はそれほどエッチに積極的な子ではなかったけど、俺が求めれば何でも応じてくれた。
季節は春から夏へ向かおうとしていて、部屋の中は初夏の陽気に包まれている。
彼女とキスしているだけで興奮してきて、じっとりと汗ばんだ。
彼女の額にもうっすらと汗が浮かんでいる。
俺が舌を絡ませると、彼女も応じるように舌を絡ませる。
キスをしているとエロいスイッチが入るようで、夢中で彼女の唇、口の中へ舌を這わせる。
「「ん、あ、ちゅ、じゅ、」」
ディープキスをしながら、制服を脱がせていく。
学校指定のチャコールのセーターを脱がせ、ブラウスのリボンをほどく。
ブラウスのボタンは彼女が外した。
ブラはピンク色でふちにフリルのようなものが着いたフェミニンなデザインだった。
女の子にとって下着は気になるところ見たいだけで、俺は脱がしやすければ正直デザインは気にならない。
ユ〇クロの下着の方が、肌触りが良いし、脱がしやすいので好きなくらいだ。
ブラのホックを外すと、彼女の乳房がプルルンと弾んだ。
Dカップだと言っていた。
巨乳より、このぐらいの方が俺好み。
両手で揉みしだく。
「明るいし、恥ずかしい……」
当然だ。俺たちは真昼間からセックスしている。
白くて、柔らかくて、つい強く揉んでしまう。
「ひゃ、あん、優しくして……」
「ごめん」
軽く謝って、乳房を揉みながら乳首に吸い付き、吸ったり、舌先で弾いたり愛撫する。
「あん、なんか、感じる―」
彼女が、顔を赤らめながら悶える。
俺も興奮してきて、スカートをめくって、ショーツ越しにオマ〇コの辺りを擦る。
「あ、あん」
「どの辺りが、気持ちいのか教えて」
「触られているだけで気持ちいよ」
乳首を舐めながら、しばらくショーツ越しにオマ〇コの溝辺りを上下に擦っていると、しっとりと湿り気を感じた。
「なんか、濡れてきた」
「ショーツ、濡れちゃう……。脱がないと――」
ブラと対のデザインの薄ピンクのショーツを脱がす。
ふんわりと酸っぱいような女の子の匂いが漂う。
この匂いを嗅ぐと、不思議と股間が滾るようにムクムクと盛り上がる。
彼女がスカートを履いている状態なのがまた、興奮した。
その状態でベッド上でM字開脚の状態に股を開かせる。
秘部の入口がヌラりと湿り、光っている。
「恥ずかしい……」
明るい部屋で、彼女の一番恥ずかしい場所を視姦する。
「ヌレヌレで、エロい――」
秘部へ顔を近づけると、ツンと女の子の匂いが鼻腔を刺激する。
「シャワー浴びてないから、あまり嗅がないで――」
彼女は顔を赤くしながら、俺の頭に手を当て拒絶の仕草をするが、強い抵抗は見せない。
俺は抵抗にかまわず、秘部をくぱぁと開いた。
植物で例えるなら花びら、海産物ならアワビだろうか。
ヌラヌラと濡れながらもヒクヒクと動いているさまは、花びらというよりアワビだろうか。
舌先を入口の中心から舐め上げ、尿道の入口の辺りでくるくると廻し舐めた。
「あん、ごめん、ホントに恥ずかしくてどうにかなりそう」
悶える彼女を無視して、べろべろと舐めまわす。
ちゅ、じゅ、じゅる、じゅる、じゅ、じゅる
「いやん、あん、ダメ、ダメ、いやん」
エッチな匂いを放ちながらも愛液が溢れる。
匂いで頭がジンジンと痺れて、夢中になって舐めた。
俺のチ〇ポもギンギンに勃起している。
おマ〇コの入口は触れながらもヒクヒクと動き、俺のチ〇ポを求めているように見えた。
「い、入れるよ――」
「うん……」
彼女は少し、不安そう表情で応じる。
枕元に隠しておいたコンドームをいそいそと装着して、先っちょを膣口に押し当てる。
ヌレヌレの膣口はやすやすと、俺のチ〇ポをのみ込んでいく。
「は、入ってる」
痛みはないようだ。
(あ、あったかい)
亀頭が全部入ったところで、彼女の身体がビクンと硬直した。
「あっ、ちょっと、ゆっくり、痛い――」
彼女が痛みを訴える。
だけど、俺の脳みそは興奮で痺れていて、ここで止めることなんてできない。
「ごめん、ちょっとだから我慢して――」
かまわず、チ〇ポを奥まで押し込む。
「あっ! いや、あ、あん」
彼女は苦悶の表情だが、目を潤ませ俺の首に抱き着く。
「うん、最後までして――」
キュウ、キュウとオマ〇コが収縮して、絡みつくようにチ〇ポを刺激する。
もはや、彼女の痛みなど構っている余裕もなく、腰の抽送を速めた。
「あん、あん、あっ、あん、ひびく――、あっダメ」
正常位の状態でパンパンと腰を打ちつけた。
「いや、あああ、あん、ああ、あんあ、あん」
彼女が悶える。
気持ち良すぎて射精感をコントロールする溶融なんてなかった。
「イク!」
どくん、どくん、と彼女の中で爆ぜた。
彼女が俺の頬に両手を添えて、キスをせがむ。
繋がったまま、彼女の唇に唇を重ねた。
最初の一線を越えると、俺は連日のように彼女にセックスを求めた。
覚えたての快楽は高校男子の有り余る性欲をかき立てた。
彼女から告白された分、自分の方が優位に感じていたのかもしれない。
インターネットで仕入れた性知識を彼女に試した。
覚えたてのいろいろの体位。
AV男優がやっているみたいに潮を噴かせたり。
フェラをさせて、ごっくんをお願いしたり、イマラチオで喉奥に射精したり。
彼女は俺のお願いにいつも素直に従った。
しだいに俺は「生」での挿入を求めるようになった。
彼女は断らなかった。
当然、俺にも「断らないだろう」というおごりがあった。
そして、浅い知識で「安全日」という時に「中出し」した。
その一回の過ちで彼女は妊娠した。
そのあと、お互いの両親の間で話し合って、彼女は中絶した。
彼女は誰にも相談できず抱え込んでいた。
彼女が悩んでいたなんて、微塵も気づかず。
変わらず俺は彼女にセックスを求めていた。
結局、彼女が両親に相談したのは、中絶手術ができる21週ぎりぎりでのことだった。
彼女の親父に拳で顔を殴られたり、両親が土下座したり当然のような修羅場がまっていた。
彼女の親父の暴力もあり、慰謝料と言うことにはならず示談した。
結局、彼女に会わせてもらうことなく、俺は学校へ行かなくなり、以来彼女とは会っていない。
コロナウイルス流行もあり、学校も休校がちだったため高校は補習を受けてなんとか卒業できた。
俺は陰で「中出し君」と呼ばれ、友人たちは去っていった。
高卒でフリーターになり、アルバイトを転々として今は介護施設の夜勤介護職員として働いている。
◇
夜勤明けの帰り電車。
接続のある大きな駅を過ぎた頃には、車内は空いていて、席に座った俺の目の前には一人の少年が座っている。
少年は視線を逸らすことなく、俺を見つめている。
彼が現れたのは去年の末。
容姿は、小学校低学年の頃の俺にそっくりだ。
俺が、少年を意識しだしたのは介護老人施設で仕事中、利用者の爺さんに「あんた憑かれてるの?」と唐突に指摘されてからだった。
介護老人施設の食堂。
端に置いてある椅子に座って、俺を見つめる少年。
圧倒的な違和感。
一度気づいてしまうと、彼はいたるところに現れた。
不眠の症状も出始めたため、夜勤で働いているときの方が気分が紛れた。
そんなとき、最初に指摘してくれた爺さんから「祓師」に相談するよう勧められた。俺の顔色が悪く心配してのことだった。
この春の出来事を俺は一生忘れないだろう……。
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