エッチな体験談風 短編小説
俺のスペックはと言うと、まあアラサーでごく普通の社畜だな。
ブラックで、社畜の代名詞である3流のIT企業でプログラマーをしている。
俺は社畜であることを誇りに思っている。
俺たちプログラマーの中には、フリーで活動する奴もいる。
時には組織に属しているが故の理不尽さを味わうこともある。だが、組織に属しているからこそ味わえる達成感や喜びもあるのだ。
そんな、社畜の俺がだが、半年前ボンクラプロジェクトリーダーの所業にたまりかねて、社会的に抹殺した経緯がある。
その時は、セフレであるサセミの協力でそいつをハニートラップでハメたのだった。
サセミにはその一件で世話になった。
そのサセミが、昨日、顔や体中に痣をつくっての酷い有様で俺の部屋に訪ねてきた。
訊くと、セフレのゴリという男に乱暴されたという。
セックスの最中、サセミが拒否をするとレイプように乱暴に犯され中出しされたという。
しかも、ゴリという男、自分は警察官だと言っていたとか。
なんともクソ野郎で、訊いていて胸糞悪く、怒りが込み上げてきた。
しかし、本当に警察官なのか?
しかもどれくらいの地位にいるかも不明だ。
サセミは統合失調症だ。
相手が保身に走り、妄想だの、証拠だの騒ぎ出せば不利やもしれん。
まずは、情報が必要だと思った。
翌日、俺も付き合ってサセミを婦人科に連れていき、医師に強制性交であることを伝える。
身体の痣を写真に撮り、中出しされた事実を記録してもらった。
アフターピルを処方してもらい、服用するとサセミもほっとした様子だった。
サセミの部屋はゴリに知られているので、しばらく俺の部屋でかくまうことにした。
そのタイミングでゴリからサセミのスマホにメールが送られてきた。
「サセミちゃん 部屋に帰って来てないみたいだね。会いたいよ。電話に出てよ。出てくれないと、君の恥ずかしい動画、投稿サイトにアップしちゃうよ」
といって、ゴリがサセミを犯している動画ファイルが添付されていた。
ゴリにはぼかしが入っているが、サセミの顔はばっちりと映っている。セックスしている最中、なんどか撮影されたらしい。本当に胸糞の悪くなるやり方だ。
(これは、早くケリをつけなくてはと思った)
――――――
俺はさっそく、同僚2人、それと新人のミナミちゃんを居酒屋に誘い、頭を下げ協力を願った。
「ボンをハメる時に助けてくれた友達が困っているんだ。今度は助けてあげたいから手伝ってくれ」
「おい、おい、田中。そんな頭下げなくても俺たちは義理堅いつもりだぜ」
同僚の一人が頭を下げている俺の肩を叩いて言った。
「そうだぜ、まずは詳しく話せ。できることからつぶしていくのが俺たちプログラマーだろ」
もう一人の同僚が続ける。
「ですよ先輩。私もできる限り協力させてください!」
ミナミちゃんも前のめりで、協力を申し出てくれた。
俺は事の経緯を同僚たちに説明した。
ゴリという男の胸糞の悪い行動に、みんな眉を顰め嫌悪感をあらわにする。
「しかし、そんな奴が警察官ってことあるのか?」
同僚の一人が疑問を漏らす。
ゴリが警察官ということはサセミも胡散臭いと言っていた。
「まずは、情報収集から手伝ってくれるか?」
「ああ、まずは情報を積み上げる。そして、作戦を組み上げる。いつもやってる仕事と大差ないさ」
仲間がいるって心強いと思った。
ゴリの住所はサセミから訊いている。
まずは交代で張り込み、奴の行動を観察した。
行動を監視して、3日程度でかなりのことが判明した。
個室のあるいつもの居酒屋で集めた情報をもとに4人で作戦会議をした。
まず、ゴリは警察官ではない。警備保障会社にガードマンとして登録しているものの、仕事がいい加減で暇を出されているらしい。
そして、1日の大半をパチンコ屋で過ごす所謂「パチカス」だった。
借金もあり、消費者金融だけでなく闇金にも手を出しているらしい。ゴリのアパートの周りを強面の二人組のお兄さんがうろうろしていた。
ほっておいても自滅しそうだが、動画データを回収しなくてはならない。
ゴリは180cmの身長に横幅もある巨漢だ。
4人で押しかけてデータをよこせと言って素直に従うとは思えない。
思案していると、ミナミちゃんが手を挙げた。
「私に作戦があります!」
俺たちはミナミちゃんの作戦を採用し決行することとした。
ミナミちゃんの作戦はこうだ。まず、ミナミちゃんが鍵屋に電話をかけてゴリのアパートの前で待っている。鍵屋のお兄さんにドアを開けてもらい、料金を払ってお礼を言って中へ入る。そして、PCからデータを削除して終了というシンプルなものだ。
以前、ミナミちゃんが鍵をなくして鍵屋さん呼んだとき、特に部屋の所有者かどうかの確認はなかったという。
実際、来てくれた鍵屋のお兄さんは、あっさり鍵を開けるとミナミちゃんにデレデレしながら料金を受け取って「また、ご用命ください~」と言って去っていった。
実に簡単だった。ミナミちゃんが可愛いからか?
身を隠していた同僚と俺はミナミちゃんと合流し、ゴリの部屋に侵入する。
鍵屋のお兄さんには不法侵入の片棒を担がせてしまったが、ゴリは女子の裸の動画を撮影し、脅迫するだけでなくレイプ魔であり犯罪者だ。
目には目を歯には歯を―― だ。
ゴリの部屋は男の一人暮らしとあってまずまず汚れていたが、以外にも片付いてはいた。
ノートPCが1台、座卓に置いてある。
散らばっている雑誌関係はパチンコのものばかりだ。
旧型のPCで、起動させるとあっさり、デスクトップが開いた。
パスワードの解除ツールを持参していたので拍子抜けだ。
まさか、不在時に正攻法で住居に侵入されると思ってもいないか。
動画ファイルを検索すると、出るわ、出るわ、中には未成年と思しき少女とのセックス動画やレイプにしか見えない動画など、自分の犯した犯罪の証拠をしっかりと保存していた。
ミナミちゃんは目を背け、怒りで顔を歪ませている。
告訴の証拠にもなるので動画はコピーさせてもらったあと、PCはツールを使って完全リセットさせてもらった。
「あとは、スマホにもデータが残ってるかもしれないな」
同僚が可能性を指摘する。たしかに、サセミもスマホで撮影されたと言っていた。ゴリはスマホで撮影し、PCに保存しているに過ぎないため、スマホにも動画ファイルが残っている可能性がある。
「なんとかして、スマホを回収しないとな」
その時、入口から誰かが侵入してくる気配がした。
パチンコをしているゴリは、もう一人の同僚が監視しており、動きがあればすぐ連絡が来る手筈になっているので、ゴリがいきなり帰ってくるはずはない。
「あんたら、面白そうなことしてんじゃん」
スーツをだらしなく来た二人組の男が玄関から入ってきた。
しまった。鍵を閉めておけばよかった。
おそらく、闇金の男たちだろう。堅気じゃない剣呑な雰囲気をまき散らしている。
ノートPCのデータを削除し終わり、撤収にかかろうと思っていた矢先、出口を塞がれる形となってしまった。
俺も、同僚も、当然ミナミちゃんもデスクワーカーだ、喧嘩や揉み合いのような立ち合いは専門外。
みんな緊張で身体が固まったかのように動き出すことができない。
「ん?」
「ん!」
闇金業者の男の一人が俺を指さす。
「あっ、ムトウじゃん」
「田中先輩じゃないっすか!」
男は、5年前まで会社の後輩だったムトウだった。
彼は、プログラムというデスクワークに嫌気が差し会社を去ったのである。後輩ということもあり、俺はよく飯をおごったり、ミスをカバーしたりしてたこともありムトウは俺に対して最後まで申し訳なさそうに去っていったっけ。
俺とムトウは気安い中でもあったので、そこからはざっくばらんに情報交換をした。
「アイツを、警察に突き出されたらマジ困るっす」
ムトウが言うには、債権回収のための段取りが整い、これから型にハメようって時らしい。
しかし、ゴリが警察に捕まっては、段取りが台無しになる。
そこで、俺たちとムトウとの間で取引がおこなわれた。そして、ムトウたちは俺たちの協力者となったのだった。
――――――
舞台はムトウたちが用意した廃工場だ。
ドラマとかで出てくる、こういう場所って本当にあるんだな。
俺の前にゴリが引きずられてくる。同僚やミナミちゃんは、万一が合ってはいけないので俺だけが参加することとなった。
ゴリは抵抗した時に暴れて逆に殴られたのか、額が腫れている。
「兄貴、連れてきました。これはこいつのスマホっす」
俺は、ムトウたちの兄貴分という設定で参加している。ムトウはゴリのスマホを俺に恭しく渡す。
ゴリは、俺に怯えているようだ。
「ロックナンバー?」
「おら!早く兄貴におしえろ!」
「はいい、〇〇××ですぅ~」
スマホのロックを解除し、動画ファイルを削除。クラウドデータも削除した。
「どうせ、カニ漁船に乗ったらスマホなんて使えないんだから、もう必要ないんじゃねーか」
そう言って、ムトウにゴリのスマホを渡す、そしてムトウは寡黙な弟分にスマホを渡して言った。
「これ、もう必要ねー」
「うす」
受け取ると、ムトウの弟分はスマホを地面に落とし、近くに転がっていた鉄パイプを拾い上げ握るやいなや、ガッシャン、ガッシャンとスマホを叩き壊した。
(こいつが一番あぶねーんじゃねーか?)
ゴリは近々、カニ漁船に飛ばされる。脅迫されていた動画データも完全に回収した。
サセミの不安は取り除かれたが、ゴリに乱暴をされて以降、サセミは未だに夜はうなされ、不眠の症状が続いていた。
ゴリがもう、「乱暴しに来ない」サセミに分からせ、安心させたい。
そして、漁船に飛ばされる最後の日に、ゴリがサセミに謝罪する場面をつくってもらえないかムトウにお願いしたところ、ムトウは快諾してくれたのだ。
ファミレスでサセミと二人で待っていると、ムトウらに連れられたゴリが正面の席に座らされた。
「ごめんなさい。ごめんなさい。赦してください。告訴しないでください」
ゴリはテーブルに頭をこすりつけてサセミに詫びた。
サセミはあまりに弱々しいゴリの有様に面食らっているみたいだ。
「サセミ、別に赦さなくたっていいんだ。だけど、もうこいつはお前を怖がらせることがないことだけ分かってくれ」
「うん」
サセミの表情はまだ緊張していたけど、あとは時間をかけて俺が支えてやればいいさ。
「じゃ、兄貴。もういいっすか」
ムトウは、俺が兄貴分だという体を崩さず、最後まで通してくれた。
「ああ、手間とらせたな」
そして、ゴリはムトウらに抱えられるようにファミレスを後にした。
アイツにはこれから、自らの借金を返す苦行が待っている。
自業自得だが。
ファミレスに残された俺とサセミ。
俺がおもむろに切り出す。
「なあ、サセミ。このまま、俺と一緒に俺の部屋で暮らさないか?」
「え?本気で?私、こんなだよ、セックス依存症だし、メンヘラだし、めんどくさいよ……」
サセミの眼から涙がこぼれる。
周囲からだと、別れ話をして俺が泣かせているようにしか見えないだろう。
まあ、いっか。
俺はサセミが泣きやむまで、抱き寄せて背中をさすっった。
「わーん。タナカッチ、〇△ぶ、べ、をーん、わーん」
言葉にならない声を上げながらおんおんとサセミは泣いたのだった。
俺はコイツの甘ったるいしゃべり方も、大きなクリトリスをフェラするのも、挿入した後、膣のうねりだけでイかされるのも大好きさ。